彼女は、キューバに渡ってもうパリにはいないというのです。私はがっかりしました。それにしても、 優良メル友サイトの話をパリのカンボン通りの美容院で再び耳にするなんて、何という偶然……。今はキューバに暮らしているマダム・クロード。その彼女が、パリを離れる最後まで、信頼する、腕の立つ美容師さんのもとに通い続けたなんて……。しかも、ベアトリスもローランも、 無料出会い系サイトをとても評価していたのです。それは、 マダム・クロードが、国際政治にも利用された単なる高級娼婦の館の女主人だったからということだけではなさそうです。彼女が、″娘たち″ (館の娼婦たち。といっても、良家の子女、女優、貴族、ダンサーなど様々な境遇の女性たちがやってきた) に与えた、淑女になるためのたしなみやふるまいの指導が的を射たものであったからでしょう。そうでなければ、 マダム・クロードの館の卒業生たちが、後に、貴族、外交官などに嫁いで、幸福な人生を送っているはずがありませんから……。